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「Defiled」感想と考察、観てみようかなって人へのまとめ

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ジャニヲタの皆様、お疲れ様です。

青山DDDクロスシアターで上映中の舞台「Defiled」を観てきました!

「一人じゃなくてよかった」という謎の感想

事前にネタバレを見ないようにしていたのですが、Twitterでは「一人で観に行かなくてよかった」「昼公演でよかった」という謎の感想が飛び交っていました。

戸塚くんが雑誌「STORY」で語っていた役作りを見て、相当追い込んで作り上げた孤独は覚悟していたのですが、実際観てみてまさかここまでヤバい役だとは思ってませんでした・・・。

以下ネタバレありの感想となります。

あらすじ

ハリー・メンデルソン、図書館員。自分の勤める図書館の目録カードが破棄され、コンピュータの検索システムに変わることに反対し、建物を爆破すると立てこもる。目まぐるしく変化する時代の波に乗れない男たちが、かたくなに守り続けていたもの。神聖なもの。 それさえも取り上げられてしまったら・・・。
交渉にやってきたベテラン刑事、ブライアン・ディッキー。緊迫した空気の中、巧みな会話で心を開かせようとする交渉人。拒絶する男。次第に明らかになる男の深層心理。危険な状況下、二人の間に芽生える奇妙な関係。
果たして、刑事は説得に成功するのかー。

引用:Defiled公式HPより 

ちなみに「Defiled(ディファイルド)」とは、「気高く神聖なものを汚すこと」だそうです。立てこもり犯のハリー・メンデルソンを戸塚祥太さんが、刑事のブライアン・ディッキーを勝村政信さんが演じています。

感想・考察

ざっくりとしたあらすじ

冒頭、カッチーニのアヴェ・マリア(inst)が流れる中舞台が始まります。息をするのもはばかられるほどの沈黙。舞台全体に本棚があり、その両端は客席にややせり出す形となっています。200席という少ない客席も、まるで図書館の中に組み込まれているような錯覚がありました。

その中で、図書館中にダイナマイトを設置していくハリー。爆破スイッチを押そうとしたところで、外から刑事の声が聞こえます。

彼は10年間司書として勤めた図書館に立てこもっていました。
その目的は、「目録カードの破棄をやめさせること」。ちなみにこの「目録カード」、日本の図書館にもある(あった?)ようなのですが、どんなものか見たことがありません。本を探すために使う索引で、図書館の一角にまとめて保存してあるもの、のようです。

そんな彼の立てこもりをやめさせ、爆破を阻止しようとして刑事のブライアンが入ってきます。彼にはイタリア系の奥さん(感情的だが料理はうまい)と3人の子供がいます。奥さんからもらった水筒にイタリアンコーヒーを入れ、それを毎日飲みながら働いているような家庭的一面を持つ初老の男性です。

「結婚は?」「子供は?」「彼女は?」
「最後に本を読んだのは?」「シャルル・ド・ゴールは知ってるだろ?」

様々な会話を経てハリーはブライアンに心を許したように見えましたが、結局、ブライアンだけを図書館の外に締め出し、一人で図書館を爆破しようとします。

爆弾の準備をしていると突然後ろから撃たれて致命傷を負うハリー。息絶えそうになる中で爆弾の起爆スイッチを押す、、、、、、が、爆発しない。絶望に打ちひしがれていたところで、本棚に置いてあったダイナマイトが床に落下し、その衝撃で爆発します。

炎に包まれる図書館の中で、ハリーはテクノロジーへの冒涜を呟いて、そのまま死んでいくのでした。暗闇の中で冒頭と同じカッチーニのアヴェ・マリア(ボーカルあり)が流れ、終幕となります。

感想(まじめなやつ)

ハリーのやっていることは、大多数の人たちにとって理解しがたく、どうでもいいこと。でも、自分が大切にしてきて、歴史があり、尊重しているものを軽視されたハリー当人にとってはとても重大なこと。
どう頑張っても噛み合わないハリーとブライアンの価値観が、観ていてもどかしく感じました。冒頭はブライアンに肩入れしていて「ハリー早く諦めてくれ…」と思っていたのに、最後はなぜか私も「ハリーがんばれ!カードを守るんだ!」と彼を応援してしまっていたのが不思議です。ぶれない信念に共感したのか、はたまた、面倒になったのか…。

それは、おそらく、ハリーの主張を観客が正しく理解したからなのだと思います。

カードを守りたい、という言葉の裏に隠されたハリーの真意。それは「自分の大切なものを奪われるのがいやだ」というノスタルジックで幼い欲求ではないでしょうか。
例えば、大切にしている手書きの日記を取り上げられ、強制的にデータベース化されて「これでスマホでも見れるよ!はい!便利になったね!うれしいね!」と強要されるようなものです。ジャニヲタ的に言うと、「紙のチケットの方が味があっていい」みたいなものもあるかも。会員証がデジタル化したら?会報がPDFになったら?……100%誰もが賛成しないだろう、というのは予想がつくかと思います。

ハリーの要求が「幼い」と思った点については、行動においてそれが顕著に表れていたからです。冒頭では靴を脱いで図書カード目録のケース?に乗っていたはずなのに、ブライアンと接するにつれて、ケースの上に座ったり、靴のまま登ってしまったり。欲求が「カードを通した欲求」ではなく「自分自身に対する欲求」にすり替わっている演出のように感じました。
また、冒頭で「立てこもりをしていたはずなのに、図書館の鍵が開いていた」のも唸りました。単なるミスではなく心のドアを開く鍵は開いているのに、理解不能なきちがい(←不適切な言葉ですが、作中の言葉を借ります)と思われて誰もそこには入ってこない。圧倒的な孤独。
そうした細かいシーンにも、ハリーの孤独と欲求の二面性が垣間見えました。

そして、Defiledの脚本における最大のポイントは、「ハリーの年齢がブライアンよりはるかに若いこと」ではないかと感じました。

初老のブライアンが「データベース化反対じゃあ」と言っても、はいはい老害乙、古いものにしがみついてちゃダメなんだよ進化が大事なんだよお!となるのが関の山です(乱暴な言い方ではありますが)。
でも、ハリーはブライアンよりはるかに若い。ITのこと、利便性についても彼よりずっとよくわかっている。なのに、進化に反対する。
だからこそ違和感と謎が生まれ、ハリーを先入観なしで理解しようとする姿勢が、無意識に生まれたのではないかと思います。もちろん、観劇していくうちにハリーへの理解は進みますし、こういう考え方なのかな、と推察できるようにはなるのですが。

そして最後の銃声〜爆破失敗〜爆発まで。

見ていて胸がはりさけそうになりました。何よりも、爆破スイッチが作動しなかったことが大きい。爆破失敗〜爆発までの間に時間があったせいで、観客はますます「ハリーの生存」に一瞬望みを抱いてしまいます。

でも突然爆発してしまう。目の前でハリーが死んでいく。こんなにつらいことはありません。そのまま終幕してしまうので、圧倒的絶望感がのしかかります。
観劇後数時間経ってようやく、「ハリーはお母さんのいる天国にいったんや…よかったなハリー…」と思えるようになりました。

感想(ラフなやつ)

・「僕をきちがいだと思ってるんだろお!?」→心がざわつくえび担
・「催眠術師の前ではハンサムでいられるんだ」→お前はずっとハンサムだよ
・銃声ですごいびっくりして心臓が飛び出しそうになったので観劇していた河合くんのことが心配になった
・情報学を専門とする阿部ちゃんの感想が死ぬほど気になる舞台…。

最近上演された「コインロッカーベイビーズ」も鬱ENDな舞台でしたが、観劇後のテンションは「最高でしたわ〜〜〜マジよかったから何回も入りたいわ〜〜」というアッパーなものでした。

同じ鬱ENDでもなぜここまで違うのだろう?というのを戸塚担と議論した結果が以下の通りです。お納めください。

・「これが俺たちのコインロッカーベイビーズだ!(かっこいいポーズ)」

これがあるかないかでだいぶ違うなと…あとカーテンコール、Defiledは無音だったので…それも大きいかなと…。

結構メンタルやられるので注意してください。

 

まとめ

Defiled、とても胸にくる舞台だったので観ておいてよかったです。
メンタルやられやすい人は、「一人で行かない」「昼公演に行く」「二回以上行く」など工夫すると良いかと思いました。